オフィスソフトも無料の時代

9月 30
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皆さんこんにちは。日中と朝晩の気温差が激しくなっておりますが、皆さんは風邪
などひいておりませんでしょうか?そういう私は、情けないことに風邪をひいてしま
いまして、心身共に鍛え直そうと布団の中で誓ったところでございます。皆さんも体
調管理には十分にご注意ください。
 さて話は変わりまして、今回はオフィスについてご紹介をしたいと思います。前振
りのお話とは全く関係ありません。。。。オフィスと言えば、Word、Excel等の
Microsoftのオフィス製品を思い浮かべると思いますが、今回紹介するのは
〝OpenOffice.org(オープンオフィス・ドット・オルグ)〟というオフィスソフトで
す。すでに利用してみたという方や、なんだかよくわからないけど「OpenOfficeを入
手」と書かれたアイコンがデスクトップ上にある!なんて方もいらっしゃると思いま
す。簡単ではございますがご紹介させていただきますので、是非今後の参考にしてい
ただければと思います。

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┃1┃OpenOffice.orgとは?
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 『OpenOffice.org』とは無料で使えるオフィスソフトです。ワープロ、表計算、
プレゼンテーション、データベース、作図・描画、数式エディタの6ソフトで構成さ
れていて、「Microsoft Office」の互換ソフトとして位置づけられます。

OpenOffice.org MicrosoftOffice
  ワープロ Writer Word
  表計算 Calc Excel
  プレゼンテーション Impress PowerPoint
  データベース Base Access
  作図・描画 Draw Visio・Publisher
  数式エディタ Math 該当なし

 ワープロ、表計算、プレゼンテーションの3ソフトはそれぞれ、Microsoftの、
「Word」、「Excel」、「PowerPoint」のファイルを読込み、編集、保存することが
可能で、画面のメニュー構成や、機能、操作性等は、MicrosoftOffice2000~2003に
似ています。

 『OpenOffice.org』はもともと2000年ぐらいに公開されたソフトだったのですが
最初のころは動作が不安定だったり、MicrosoftOffice製品のデータを読込んでも文
字化けや、レイアウト崩れが起こったりなど、なかなか業務で利用できるレベルで
はありませんでしたが、2005年頃に発表されたバージョンあたりから動作が安定し、
最近では地方自治体や民間企業での大規模な導入事例を聞くようになりました。

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┃2┃OpenOffice.orgを導入するメリット
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 前項では簡単に、『OpenOffice.org』がどのようなソフトかを紹介いたしました。
では次に『OpenOffice.org』を導入するメリットについて紹介いたします。

 1.導入費用が無料!
   最大のメリットは導入費用が無料ということです。利用中に広告などが表示
  されることもありません。MicrosoftOfficeの場合、Word、Excel、PowerPoint
  が付属したStandard製品の場合、通常のパッケージ購入であれば約48,000円、
  ボリュームライセンスでの購入であれば、約34,000円、パソコンの入替時にバ
  ンドル版を購入するとしたら約20,000円となります。10ライセンス分を新規に
  取得しようとすると、

   パッケージ版 ¥480,000.-
  ボリュームライセンス版 ¥340,000.-
  バンドル版 ¥200,000.-

  となるわけですからこの費用が〝0〟というのは大きなメリットになります。
  10台で考えてこの金額ですから、クライアント数が多い企業であればさらに導
  入費用の削減が見込めます。

 2.ODF(OpenDocument Format)に対応している!
   ODFとは国際標準化機構(ISO)によって国際標準規格と認定された文書形式
  で、ODF形式に対応したソフトウェアであれば利用可能になります。総務省が昨
  年の3月に策定した政府調達の基本指針では「導入するシステムはオープンな標
  準に準拠すべき」としていますので、今後、官公庁とのデータのやり取りがODF
  形式で行われる可能性もあります。今後MicrosoftOffice製品もODF形式に対応
  してくるとは思いますが、標準ファイル形式でベンダー依存から脱却するとい
  うのもメリットの一つになると思います。

 3.今までのMicrosoftOfficeとの親和性が高い!
   他社製品であるMicrosoftOfficeと親和性が高いというのは変な話なんです
  が、企業で利用されているオフィスソフトは、Microsoft社製のOfficeが圧倒的
  に多いと思います。さらにそのOfficeの中で多いバージョンはというとOffice
  2000~2003のバージョンになると思います。すでにMicrosoftOffice2007をご利
  用になった方はご存知の通り、Office2007は今までのOfficeとはメニュー体系
  がまるっきり変っていて「操作に慣れるまでは大変」という感じです。

   それに対して、『OpenOffice.org』のメニューや機能は昔のシンプルな
  旧Office製品に似ていて新しく導入したとしても馴染み易いというメリットが
  あります。Office2007にはOffice2007なりの新機能や新しいユーザーインター
  フェースで使い易くなった面もありますが、よく利用する機能という点で費用
  対効果を考えたときに『OpenOffice.org』の導入を決めたという企業もあるよ
  うです。

 4.PDF形式での保存も標準でサポート!
   『OpenOffice.org』の「Writer」、「Calc」、「Impress」、「Draw」には
  PDFへエクスポートという機能があり他のツールを用意することなく、作成し
  た文書をPDF形式で保存することが可能です。

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┃3┃当然デメリットも。。。
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 やはり世の中いいことだけではありませんので、この項では『OpenOffice.org』
のデメリットを紹介したいと思います。

 1.オープンソースなのでサポートはありません。
   フリーソフトを利用しているのと同様に、ソフトウェアに対してのサポート
  は一切ありません。当然、開発は日々行われていますので、何か問題が起こっ
  た場合の修正や、新機能の追加というのは行われますが、早急な対応などを求
  めることはできません。これは使い方などのサポートも同じで、コミュニティ
  などを通じて使い方や解決方法などを質問することになりますが、これらの回
  答はあくまでのそこを利用している方々の善意ということになりますので、ご
  自分が望んだタイミングで解決方法が得られるとうい保証は一切ありません。
  そのようなサポートが必要な場合は別途有償でサポートサービスの提供を受け
  る必要があります。

 2.MicrosoftOfficeと完全互換ではない。
   MicrosoftOfficeで作成した文書を〝OpenOffice.org〟で開いた際に必ずし
  もきちんとした形で表示されるわけではありませんし、その逆もしかりです。
  機能や操作方法なども違いがあります。また、Excelでマクロを利用している場
  合にはさらに注意が必要になり、『OpenOffice.org』では「OpenOffice.org
  Basic」と呼ばれる独自のマクロ記述言語になります。MicrosoftOfficeでは
  「VBA」という言語となり、どちらも基本は「Basic」言語ですが、両言語はま
  るっきりの別物となります。『OpenOffice.org』では独自マクロを処理して実
  行するのとは別に「VBA」マクロを読込んで実行する機能を備えていますが、
  実際にはすべてのマクロが問題なく正常に機能するには至っていません。
  完全に『OpenOffice.org』に移行するには、動かないマクロ部分は新しく組み
  なおさなければならなくなります。

 3.アプリケーションメンテナンスも自分で管理する。
   MicrosoftOfficeを利用していて、「Microsoft Update」を利用している
  ユーザーであればOffice製品のアップデートは自動で行われます。しかも更新
  はプログラム修正の差分で行われるので、古いアプリケーションをアンインス
  トールして、新しいアプリケーションをインストールするということはありま
  せんが、『OpenOffice.org』の場合、新バージョンが出た際のお知らせは行っ
  てくれますが、アプリケーションの更新は自らが行わなくてはいけません。
  更新作業も前述したように旧アプリケーションをアンインストール後、新アプ
  リケーションをインストールするというMicrosoft Office製品からみると手間
  のかかる作業になります。

 このように、メリットとデメリットはありますが、今後のオフィス製品は必ずしも
Microsoftということにはならない時代になりそうです。2008年7月号でもご紹介しま
したが、今後はGoogleなどからも新しい形式でOfficeソフトに代わるものがどんどん
登場して来ると思います。これらのアプリケーションの良いところは、本番環境をす
ぐに構築できるということです。

 『OpenOffice.org』もhttp://ja.openoffice.org/からダウンロードしてインスト
ールするだけで利用可能です。文書を関連企業や取引先等とやり取りすることも多
いと思いますので、相手企業の利用状況などの関係上、必ずしも全パソコンのオフ
ィスを簡単に置き換えることはできないと思います。しかし『OpenOffice.org』の
導入を決定した企業ではコスト面はもちろんのこと、今までOfficeソフトが入って
いなかった生産現場等に導入し暗黙知を明示知にするなど、各社様々な思惑がある
ようです。

 現時点で弊社として全てのお客様に決して『OpenOffice.org』をお勧めしているわ
けではありません。導入時のコストメリットは大きいと思いますが、サポートや機能
関係会社との連携などを考えると逆にトータルコストが増加する可能性もあります。
しかし一つのツールとして評価する価値はあると思います。すぐに評価できるという
のも大きなメリットですので、もしご興味がありましたら担当営業までご相談くださ
い。

(TETSUYA)