現在のトレンド「パソコンの仮想化」

5月 31
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いつも弊社ニュースをお読み頂き、まことにありがとうございます。

少しでもお客様の役に立つ情報を発信しようと9年前に始めたサービスなのですが、

皆様からいろいろな感想やアドバイスを頂き、私達にとって貴重な勉強させてもらう

キッカケとなっています。これからもよろしくお願いいたします。

今回は最近話題になっている「パソコンの仮想化」について取り上げてみました。

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┃1┃パソコンの仮想化とは?

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みなさんは1台のパソコンにWindowsのようなOSを1つインストールして使用する

のが普通です。

それに対し、パソコンを仮想化して使用する場合には、以下の手順を踏みます。

1.通常通りパソコンにWindowsをインストールします。

2.仮想化に必要なソフト(後術)を導入し、仮想環境を構築します。

3.仮想環境の中に、WindowsなどのOSをインストールします。

このとき、パソコンに直接インストールするOSを「ホストOS」、仮想環境の中に

インストールするOSを「ゲストOS」と呼びます。

またこれに対応して、パソコンを「物理パソコン」、仮想化したものを「仮想パソ

コン」などと表現して区別したりします。

この「仮想パソコン」を自分のパソコンとして使用する事が、今回のポイントとな

ります。

しかし何故こんなことをするのでしょうか?実はいろいろな理由があります。

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┃2┃仮想化の目的

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いったんパソコンに仮想環境を構築してしまえば、1台のパソコンで複数のゲスト

OSをインストールすることができます。2台以上の役割を簡単に「使い分け」するこ

とが可能になのです。

・仕事とプライベートでパソコン環境を分けたい

・互換性の無いインターネットエクスプローラの別バージョンを使いたい

・新しいアプリケーションの動作テストを行いたい

・ハードウェアがサポートされなくなったWindows98などの古いOSを利用したい

このように「もう一つパソコンがあったら」というケースは案外多いものです。

しかも仮想化したパソコンは、簡単にリセットしたり元の状態に復元出来るため、

ウィルスチェックなどの危険なテスト環境にもうってつけの技術でした。

1台のパソコンでいろいろな環境を使い分けできる、ということが仮想化の主な目

的だったのですが、最近ではこれに留まらずまた別な使い方がうまれてきています。

「パソコンは1台で十分」という方であっても、自分のパソコンをわざわざ仮想化

して使う事例が増えてきたのです。

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┃3┃思わぬメリット

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パソコンを購入するたびに、自分用のチューニングは実は大変な作業ですね。

マイドキュメントやデスクトップにおいたデータ移動はもとよりメールアカウント、

アドレス帳、送受信したメッセージ、追加でインストールしたアプリケーションや、

ブラウザに登録した「お気に入り」、壁紙、スクリーンセーバ・・・・

パソコンの購入をしたいど、こういった環境の再構築にかかる手間ヒマを考えると

どうしても二の足を踏んでしまいませんか?(ちなみに私もその一人です)

そんなときに自分のパソコンが「仮想化した状態」であれば、新しいパソコンに

仮想ホスト環境を作成するだけで「仮想化した自分のパソコン」はとても簡単に移動

が行えます。

さらにこういった特性を生かし、障害発生時のリカバリもスムーズに行う事ができ

ます。仮想環境は簡単に移動が可能なので、普段からバックアップを行っておくと、

万一「物理パソコン」が駄目になった場合でも、すぐに別なパソコンで自分の環境が

再現ができます。

このように「ハードウェアに依存しない」パソコンとして仮想環境を利用するよう

な使い方が近年脚光を浴びてきたのです。

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┃4┃さらなる応用

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またここからもう一歩進み、仮想化したパソコン環境を会社のサーバの中に置いて

会社からも自宅からも同じ仮想パソコンを利用するといったような、高度な使い方ま

でされるようになってきました。

いままで何度かご紹介したリモートデスクトップの技術もあわせて使用するのです

が、今までと異なるのは、「会社の自分のパソコンは電源をONにしなくても良い」と

いう事です。別な言い方をすると、「会社のサーバの中で自分の仮想パソコンはいつ

でも電源が入っている状態」という事になります。

どこにいても「いつものパソコンが使用できる」という便利さは、一度知ってしま

うと病みつきになりそうですね。

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┃5┃仮想化の手順

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仮想環境を構築する際、新品のパソコンと同じで一からセットアップすれば、仮想

化は行えます。しかし、どうせなら「いま使っているパソコンをそのまま仮想化した

い・・・」誰でも考える事は同じで、こういった技術も既に確立されています。

P2V(Physical to Virtual)と呼ばれ、直訳すれば「物理から仮想」です。

この類の専用ソフトウェアによって、みなさんのパソコンは比較的簡単に、そのま

まの状態で仮想化できるようになりました。

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┃6┃仮想化の注意事項

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そうは言っても、やはり仮想化に際していくつかの注意事項があります。

本日のニュースは概要に関してのみのご案内としていますが、下記のポイントだけは

押さえておいてください。

1.仮想化製品は主に2種類

マイクロソフト社製のHyper-Vとヴイエムウエア社製のVMWareがあります。

どちらも一般的な使い方でしたら無料で使用できます。

処理速度や制約事項などが若干異なります。

2.仮想化するライセンスに注意

Windowsもその中に入っているソフトも基本的にはライセンスが必要な商品

です。他のパソコンで使用可能かどうか事前に調査が必要です。

3.仮想化したときに予想されるデメリット

同じパソコンを、通常にインストールして使う場合よりも、仮想化したパソ

コンは速度がやや低下します。

4.動かないソフトがある場合も

仮想化が成功したとして、中で動くアプリケーションによっては仮想環境で

動作しないものがあるかもしれません。高機能ゲームなどCPUパワーをフル

に使用するものは、あまり向かないと思われます。

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┃7┃今後の動向

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既に「仮想化」はコンピュータになくてはならない技術になっています。今回ご案

内した「パソコンの仮想化」だけではなく、各企業に1つ以上はあるサーバも「仮想

化」が盛んに行われるようになってきました。企業の基幹となるサーバにとっても、

障害発生時のリカバリが速くなる、設置スペースを節約できるなど、見逃せないメリ

ットも多いのです。3年後にはサーバの仮想化率が24%になるという予想もIDC社

から発表されました。クラウドコンピューティングと合わせ、私たちのサーバ構築は

また新しい局面を向えたようです。

もし「パソコンの仮想化」、「サーバの仮想化」に興味をもたれた方がいらっしゃ

いましたら、弊社担当までお声をかけてみてください。

既に何社かで導入した実績もありますので、最適なご提案が出来ると思います。

※仮想化技術はWindows独自のものではないのですが、説明をなるべくシンプルに

するため、今回はWindowsを中心としてお話を進めました。

(井関)