マイクロソフトの新サービスについて

2月 28
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2017年11月1日にマイクロソフトは「Microsoft 365」という社名を冠したサービス
の提供を開始しました。

既にある「Office 365」と似た名称を与え、かなり力の入ったプロジェクトのよう
です。しかしホームページを見ただけではなかなか正体をつかみにくい。。。
ただ今後私たちのパソコン環境には少なからず影響を与えそうな感じがしました。

そこで今回のニュースでは「Microsoft 365」の内容をかいつまんでご紹介します。

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┃1┃商品の概要
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従来「ソフトウェアは買って使う」という形態が一般的でしたが、最近では「使用
料を払いその間サービスを受ける」方向にシフトするメーカーが増えています。

マイクロソフトも数年前から「Office 365」という商品名で、月額や年間使用料で
Officeソフトを使えるようにしました。このとき、OneDriveというマイクロソフトの
クラウドストレージを同時に使用可能としており、ソフトウェアとプラスアルファの
「サービス」をサブスクリプション契約で提供するようになっています。
さらにこの契約をしている間は、常に最新版のOfficeが使用できるのも大きな特徴
にあげられます。

こういった発想に基づき「Microsoft 365」は「Windows 10」、「Office 365」、
「Enterprise Mobility + Security」を統合・パッケージ化して提供するサービスの
総称となっています。

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┃2┃基本構成
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「Microsoft 365」は企業の規模や機能に応じた以下のプランと構成で大別されま
す。

①Microsoft 365 Enterprise E5 → 大企業向け(1~数万ユーザ)
・Windows 10 Enterprise E5
  ・Office 365 E5
    ・Enterprise Mobility + Security E5

②Microsoft 365 Enterprise E3 → 大企業向け(1~数万ユーザ)
・Windows 10 Enterprise E3
    ・Office 365 E3
    ・Enterprise Mobility + Security E3

③Microsoft 365 Enterprise F1 → 大企業向け(1~数万ユーザ)
   ・Windows 10 Enterprise E3 機能限定版
    ・Office 365 F1
    ・Intune 機能限定版

④Microsoft 365 Business → 一般法人向け(1~300ユーザ)
    ・Windows 10 Business
    ・Office 365 Business Premium
    ・Intune 機能限定版

WindowsやOfficeという製品には馴染みがあるのですが、末尾のバージョンに細か
い違いがあります。またEnterprise Mobility + SecurityやIntuneなど聞きなれない
商品も入っていますね。

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┃3┃構成商品について
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前述の構成に含まれる各商品の内容は以下の通りです。

1)Windows 10 Enterprise
Windows 10のビジネス向けライセンス提供バージョンです。
Windows 10 Professionalを基盤としていますが、セキュリティ関連の機能が強
化されています。E3が通常バージョン、E5にはさらに「Windows Defender
Advanced Threat Protection」という「早期侵入検知サービス」が追加され、
クラウドサービスとともに管理下のデバイスを守ります。

2)Office 365
Officeのビジネス向けライセンス提供バージョンです。
F1ではOffice 365のクラウドドライブ(OneDrive)が利用できますが、Wordや
Excel、Outlookなどのソフトは無く、ブラウザー版で使用する形態になります。
    E3はF1に加え「Business Premium」のOfficeアプリが全て付随し、基本のセキュ
リティツールも利用できます。
E5はさらにセキュリティや分析・音声通信の高度な機能が加わるようです。

3)Enterprise Mobility + Security(EMS)
クラウドで動作するセキュリティサービスです。
クラウドプラットフォームとも呼ばれ、モバイルデバイスの保護をします。
実際には以下3つのプロダクトを含むSuite製品となります。
Microsoft Intune (Intune)
社外に持ち出すPCや個人所有デバイスなど環境の一元管理
Azure Information Protection Premium(AIP)
セキュアなデータアクセス。クラウド型ドキュメント保護
Azure Active Directory Premium (Azure ADP)
社内とクラウドのIDやアクセスの統合
EMSにもE3とE5バージョンがあり、 保護するサービスを差別化していました。

説明だけではなかなかわかりにくいのですが、クラウドサービスの管理に重点が置
かれていますね。

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┃4┃費用
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「Microsoft 365」の構成商品は殆どが単品での契約も可能ですが、パッケージ化
することにより割安で入手出来るような価格としています。

①Enterprise E5  \6,640/ユーザ(月額・税別)
②Enterprise E3  \3,690/ユーザ(月額・税別)
③Enterprise F1 \1,090/ユーザ(月額・税別)
④Business     \2,180/ユーザ(月額・税別)

各々にオプションを追加するパターンもあり、金額にはもう少しバリエーションが
発生しそうです。

「Microsoft 365」がターゲットとするのは、「IT担当者がいない、または少ない
中小企業」との事です。最も多くの企業に導入されるであろう「Business版」では
5年(60ケ月)の使用料が単純計算で130,800円です。年間契約の場合はもう少し価格
も下がると思われますし、それほど「お高い」感じではありませんでした。

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┃5┃最後に
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既にソフトウェアのライセンス使用という考え方は、世界的な流れのようです。

まだ馴染みの無い方法のため、「毎月お金がかかる」のに若干の抵抗も感じますが
「常に最新ソフトを使用できる」事や「クラウドサービスを安全に利用できる」事の
2つは、昨今のセキュリティ事情を考えれば大きなメリットになります。

「ソフトウェアはパソコンにインストールして使う」という時代から、「クラウド
上の定額サービスを利用する」ようなスタイルに、今後はますます移行していくのか
もしれませんね。

ご不明な点ありましたら、弊社担当までお問い合わせ下さい。