バックアップへの取り組みが急務です

3月 31
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ますます拡大するコンピュータ・ウィルス被害はもはや「他人事」ではありません。

最近では「ガードの甘い中小企業」が恰好の餌食にされています。
そのため、前回と前々回の2回にわたり本ニュースでセキュリティ対策についてお伝
えしました。

しかしどの方法でもあっても100%の防御は難しいのが事実です。
ウィルスの技術が年々進化し続けるだけでなく、使用者の「心の隙をつく」テクニッ
クまでも多様化している為です。

そこで今回のニュースは、ウィルス感染など不測の事態に陥ったときに、最後の砦と
なるバックアップについての内容としました。

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┃1┃バックアップの重要性
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過去にも何度か「バックアップの重要性」は取り上げています。
しかし「なんとかしなきゃ」と思いながら、ついつい「また今度」ということになっ
ている方が多いようです。

私たちがお客様のところにお伺いした際、「月に1回とればいいでしょ?」という質
問を受ける場合もあります。
バックアップを月に1回とるという事は、何かあったときに1月前の状態に戻さなく
てはいけません。
しかしデータが1月前の状態に戻ることは、誰しも恐ろしくて考えたくもない「悪夢
」なのではないでしょうか。
もちろんバックアップをしていなければ、その「悪夢」も見れない「最悪の状態」に
なります。

それであれば、おのずとバックアップは毎日取る事が「大原則」です。
但し、バックアップにかける手間隙や予算には限りがあります。
どういったバックアップがあり、どのような事態に対して有効かをまとめてみました。

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┃2┃バックアップについて
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よく情報伝達のテクニックとして「5W1H」というポイントがあるといいます。
バックアップにも、この「5W1H」を考えると、何をすべきかが見えてきます。

①なぜ(Why)
バックアップは大事なデータを守るために取る手段に他なりません。
バックアップがあれば、ウィルスによる破壊だけでなく、操作ミスによる削除、
ハードウェアの故障、火災・天災といった場合の消失危機からも大事なデータを
守ってくれます。

ところが想定した事態によってバックアップする最適な方法が異なるのは、あま
り知られていません。
セキュリティ対策と同様、バックアップにも1つで完全な方法はなく、最適な手
段を検討する必要があります。

②何を(What)
皆さんのパソコンにあるデータだけでも種類は多岐にわたります。
マイドキュメントやデスクトップに保存されたデータ、メールやアドレス、お気
に入りなどが一般的ですが、会計・給与・他ソフトのデータも大事な資産です。

サーバの共有データや販売管理システムのデータベースなどは企業にとって重要
なものですね。

最近ではデータをクラウド上に置き利用していらっしゃるケースもあります。
クラウドサーバがサービスを停止した場合は、まったく使用できなくなります。

これらは全て「バックアップが必要なデータ」なのです。

③いつ(When)
これはバックアップするタイミングを指すのですが、大きくは「リアルタイム」
と「バッチ処理」に分かれます。

1)リアルタイム
データが変更されると同時にバックアップする形態です。特別なハードウ
ェアを使う方法やデータベースソフトが制御を行う方法があります。
理想的な方法と思われるかもしれませんが、リアルタイム処理にも短所は
あります。
データがウィルスに感染した際もバックアップ機能が異常を判別できず、
破壊データをそのままバックアップしてしまいます。
みなさんの操作によるデータ書換と、ウィルス活動によるデータ破壊が、
同じような処理であり区別するのが難しいのです。
そのため、リアルタイム処理では感染と同時にバックアップデータが破壊
される場合があります。
しかし、ハードディスクの故障などには大変有効な方法です。もしご予算
に余裕がある場合は、次のバッチ処理と併用して使う手段と考えたほうが
よさそうです。

2)バッチ処理
あるタイミングで一括バックアップを行います。自分のパソコンはシャッ
トダウン時に、サーバは夜間にタイマーで実行することが多いようです。
バックアップ自体がサーバに負担をかけるため、業務が終了してから行う
ほうが確実で、速度低下の影響も少ないです。理想は毎日行う事です。

④どこに(Where)
パソコンやサーバに接続したUSBハードディスク、社内のネットワーク上にある
バックアップ装置(NAS)、外部(社外)サーバなどへの保存が考えられます。

USBハードディスクは安価で使用しやすいのですが、感染の危険があるパソコン
には付けたままにしないほうが良いです。
パソコンがウィルス感染した場合、USBハードディスクのデータも簡単に破壊が
可能なのです。
また、火災・天災などを考えると、バックアップを社内に置いたままという状態
にも不安が残ります。セキュリティ対策が必要ですが、出来れば「元のデータ」
とは別な場所へ保管して下さい。
保管場所を心配するのであれば、一番安心できるのは外部サーバです。
しかし、この方法はバックアップにかかる時間が一番長くなるため、「今日の作
業分のみ対象」など、外部サーバへ送信するデータを分ける必要があります。

⑤誰が(Who)
バックアップを操作するのは誰が実行するか?です。
お昼休みやパソコン終了時などでワンタッチなら良いのですが、いろいろな手順
が必要な場合はどうしても面倒になってしまいます。
しかし自分のパソコンデータは自分でバックアップするのが一番確実です。

サーバなどで用いられるタイマー式自動実行は手軽で便利ですが、定期的に実行
エラーが無いかのチェックは行うようにして下さい。
しばらく放置しておくと、バックアップ装置の容量不足など思わぬ事態が発生し
ている事があります。

⑥どのように(How)
この内容を説明するのが少し難しいのですが、バックアップは以下の2×2=4
種類あったほうが良いです。

1)原本を消したデータはバックアップからも消す
現在のデータを「そのままの形で複製」するイメージです。パソコンが丸
ごと破壊された場合、このバックアップから復元すると一日前の状態に戻
ります。その反面、データを誤って削除したようなケースでは、バックア
ップからもデータは消えています。

2)原本を消したデータはバックアップに残す
現在残ったデータを複写するため、削除したデータはバックアップに残り
ます。先のデータを誤って消した場合の復旧にはとても便利ですが、ハー
ドディスクの故障などで、このバックアップから丸ごと復元すると新旧の
データが混在してかなり運用しにくい状態となります。

3)上記2つの方法を日付別に保管
上記2種類のバックアップを過去数日分保持できると、かなり安心できる
ものになります。特に連休などデータ破壊に気づかず数日過ぎる事があり
ます。

今はかなり大きな容量のバックアップ装置を安い価格で購入できます。
これらのポイントに注意しながら安心なバックアップの環境を構築するのに、それほ
ど多くの予算は必要ないと思います。

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┃3┃定期チェックは必要
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バックアップを取っていると少し安心してしまうのですが、まだ油断はできません。
「とっているつもり」で失敗していた例が過去にいくつかあります。
前述のバックアップ装置の容量不足もそうですが、特に自動化したものはバックアッ
プエラーを通知する機能がないと、いざ使用しようと思ったらバックアップが壊れてい
た、ということも起こりかねません。
「キチンとバックアップできているのか?」のチェックは最低でも月1回行っておき
たいものです。

バックアップは「また今度します」ではなく、「今すぐ実行」して頂きたいのです。
最初の仕組みは私たち専門業者と話しあい構築して頂く事が出来ますが、、確実な運
用・監視は皆様にも是非お願いします。

もはやパソコンを安全に利用するためには、バックアップの意識が絶対必要になって
いると言って過言ではありません。
前回までにお知らせしたセキュリティ対策とあわせて、皆様の大事なデータをお守り
下さい。