Windows Server 2003 のサポート終了まであと9ヶ月となりました

10月 31
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皆さん、こんにちは。今回のニュースは、いよいよサポート終了まで9ヶ月となっ

たWindows Server 2003 についてお伝えします。Windows Server 2003のサポート終

了問題の基本事項については2014年6月号で配信いたしましたので、今回のニュース

ではどのようなことを考慮しながら移行を進めて行けばよいかという観点でご紹介し

たいと思います。

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┃1┃単なるサーバー入替えではありません

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Windows Server 2003は発売から10年以上が経過しています。これはWindows

Server 2003を基盤として構築したサーバーシステム、ネットワークシステム、運用

方法などを含めた業務システムも10年が経過したことを意味します。この10年でサー

バーシステムをはじめ、インフラやサーバーOSが持つ機能などが大きく進歩していま

すので、今回の入替えは単なるハードウェアの入替えやサーバーOSの更新と位置付け

るのではなく、社内システム全体の最適化を図り、次のシステム基盤をしっかり構築

する機会とすることが重要になります。

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┃2┃現状の把握

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全体最適を行うためには当然のことながら現状を把握する必要があります。サーバ

ーOSのどのような機能を利用しているのか、サーバー上で稼働中のアプリケーション

やミドルウェア、データベース等はどのようなものがあるのかを把握し、それらの今

後の必要性を検討し、必要と判断した機能の場合はどれくらいCPUやメモリーなどの

ハードウェア資産を使用しているかを調査する必要があります。

これらの作業は今後移行する移行先の選定に大きくかかわって来ます。ご承知の通

り昨今のデータ保存場所やアプリケーションの利用環境は社内に構築したサーバー上

だけではありません。クラウドで利用できるシステムやデータはクラウド上に配置し

データへのアクセスのしやすさや、利用のしやすさを向上させた方がいい場合もある

と思います。その場合、クラウド上に配置したシステムやデータのハードウェア資産

分は社内設置するサーバーからは除外することができますので、細かい話ではありま

すが重要なポイントとなります。

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┃3┃新OSの機能を評価・検討する

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サーバーOSの最新版にあたるWindows Server 2012 R2とWindows Server 2003を比

較すると当然のことながら数多くの機能の違いがあります。その中で特に注目する点

としてはどこからでも社内のデータに簡単で安全にアクセスできる仕組みが充実して

きたということです。色々なサービスのクラウド化が進んでいる昨今、Windows Serv

er自体もワークスタイルの多様化に対応するために、社外から社内へリモートでデー

タアクセスする方法も数種類が提供されています。そしてそれに伴い個人のパソコン

やスマートフォン、タブレット等を安全に業務で利用できるような機能も提供されて

います。これらの機能を利用することにより使用する情報は個人の端末上ではなく、

サーバー上で処理されるため、仮に個人端末を紛失した場合などのセキュリティリス

クも最小限(一定のルール等は必要)になります。

また、リモートオフィスや在宅勤務、出張先のホテルや自宅からなど、会社以外の

場所で仕事をしたい場合もあります。そのような場合、その先々で使用するパソコン

すべてに会社で利用しているクライアントのデスクトップ環境を構築するのはコスト

やセキュリティ面を考慮すると難しいのですが、Windows Server 2012 R2では仮想デ

スクトップをサーバー上に構成することができ、仮想デスクトップの画面情報をクラ

イアントに転送することで、どこにいても、どのパソコンからでも会社のデスクトッ

プ環境を使用することができます。仮想デスクトップ環境とデータはサーバーで一元

管理されるので、利用するデータはクライアント側には残らず、セキュリティリスク

を低減することができます。

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┃4┃システム構築先の決定

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サーバー利用の現状と新OSの機能を把握したら、最後は実際にそれぞれのシステム

やデータを的確な場所へ移行する必要があります。移行先は大きく分けると以下の2

つのパターンになります。

1.社内に設置した新サーバーで全てを構築

新しいサーバーを社内に設置してアプリケーションやデータベースなどを

新サーバーOS対応のものにバージョンアップし、必要に応じて社外からのア

クセス機能などを追加構築します。このパターンは社内クライアントでサー

バー上のデータを処理するケースがほとんどという場合に最適で、データの

アクセスレスポンスは高くなります。また、データの利用にあたり外部ネッ

トワークを介さないので通信トラブル等の影響も受けにくいという特徴があ

ります。

2.サーバーをクラウド上に設置またはシステムをクラウドに移行

サーバーやシステムをクラウド上に配置することにより、システムやデー

タへのアクセスがより柔軟になります。その反面、データへのアクセスは外

部ネットワークを介すため、通信環境にトラブルが発生するとデータへアク

セスすることができなくなります。そのため通信環境の二重化や通信トラブ

ル時の代替運用案をしっかりと検討する必要があります。

大きく分けると上記のようになりますが、実際にはシステムやデータの特性、ワー

クスタイル等を考慮していくと1と2の混在になるのが理想という結論も場合によっ

てはあるかもしれません。過去のニュースでも紹介したOffice 365のようなサービス

を利用し、ドキュメント系のデータをクラウド上で共有し、Officeアプリケーション

も様々なデバイスから利用することで利便性をあげ、基幹システムは従来通り社内に

構築する。または基幹システムもクラウド上に構築して全面的にクラウド化する。こ

れらの選択肢はお客様の業種や業態で異なってきます。最初に述べたようにWindows

Server 2003のサポート終了は社内ITシステムを全面的に見直し、次期IT基盤を構築

するいい機会です。是非早めに弊社までご相談ください。