次期Microsoft Officeのカスタマープレビューが公開されました

8月 31
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お盆休みも終わり一気に秋へと向かうかなと思っておりましたが、ここ数日の

気温、湿度はかなり厳しいものがありますね。このような状態が続くと、パソコンや

人体に悪影響を及ぼしそうなので、この辺で勘弁して欲しいと思っている今日この頃

です。

さて今回のニュースは先月カスタマープレビューが公開された次期Microsoft Office

についてご紹介したいと思います。

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┃1┃Windows 8タブレットに最適化

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次期Officeは本年の10月に発売となる「Windows8」に最適化され「Windows8」と組

み合わせて利用することにより価値が最大化されるとMicrosoftは発表しました。

弊社のニュースでも何度かご紹介しておりますが、「Windows8」では新しく

『Metro』と呼ばれるインターフェース(「Windows Phone」の発表以来使用されてき

た呼称ですが、商標等の関係で今後は別な呼称になるとみられています)が採用され

ており、『Metro』はタブレットや「Windows Phone」など、タッチで操作するデバイス

に最適化されています。ARM系タブレットの「Windows8」には次期Officeの

「Office Home and Student 2013 RT」が標準搭載されることになっているので、

タブレットでの利用に重点を置き、タッチやスタイラス(ペン)入力でも操作しやす

いようになっています。

また、すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、Microsoftは「Windows8」

の発売と同時にMicrosoft独自のタブレット端末である「Surface(サーフェス)」を

発売すると発表しており、iPadやAndroidタブレットからの後れを、Officeとの組合

せで巻き返そうとしています。

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┃2┃クラウドに対応

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次期Officeは会社内のパソコンで作成した文書を、外出先でタブレット端末から

修正を行う等、様々なデバイスを利用して文書作成を行う事を考慮し、ファイルの

保存先がデフォルトでクラウド(オンラインストレージ)上になっています。あくま

でもデフォルト設定ですので、従来通りパソコンのローカルディスクへ保存すること

も可能です。Officeを利用する際にクラウドサービスへサインインする事により、

自分の最新ドキュメントにデバイスを問わずアクセスする事ができ、またOffice自体

の個人設定も適用されるようになっていて、いつでも自分の使いやすい設定でアプリ

ケーションを利用する事ができます。

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┃3┃オンラインストレージについて

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ここでは前項で出てきましたオンラインストレージについてご紹介したいと思いま

す。以前のニュースでも少し触れましたが、オンラインストレージというのはインタ

ーネット上のファイル保存場所でクラウドサービスの1つです。サービス名で言うと

「Dropbox」、「Google Drive」、「iCloud」などがあります。Microsoftでは

「SkyDrive」というサービス名で提供しており、「Windows Live サービス」の1つ

です。このサービスもつい最近アップデートされて、画面インターフェースが、

『Metro』デザインっぽく変更されました。無料で利用できる容量は7GB(以前ご紹介

した時は25GBでしたが縮小されました。)ですが、有料のオプションサービスに加入

する事により保存容量を増やす事が可能です。ブラウザを利用してのファイルのアッ

プロード、ダウンロードの作業に加え、パソコンにデスクトップアプリをインストー

ルする事により、クラウド上の保存フォルダをローカルフォルダと同じように扱う事

ができます。

「SkyDrive」の対応デバイスは、パソコンのデスクトップアプリとしてはWindows

とMacに、スマートフォンやタブレット端末用としてはWindows PhoneとiOSに対応し

ています。現時点ではAndroidに対応していないのですが、もう間もなくAndroidアプ

リが出る予定となっています。

基本的には他のオンラインストレージサービスと変わりませんが、一番の特徴は

「SkyDrive」にブラウザ経由でアクセスした際にブラウザ上で「Office Web Apps」

が利用できることです。「Office Web Apps」にはWord、Excel、PowerPoint、

OneNoteの機能があり、「SkyDrive」上に保存したこれらのアプリケーションデータ

をOfficeがインストールされていないパソコンからも直接編集することが可能です

(パソコン以外は閲覧のみ)。

「Microsoft Office 2010」は現時点で「SkyDrive」に対応していますので、

「Microsoft Office 2010」をお使いのお客様は「SkyDrive」にサインインすること

により「SkyDrive」上のファイルを直接編集することができます。

この記事はWindows7パソコンにインストールした新しいWordと、Macからブラウザ

経由で「SkyDrive」にアクセスし、「Office Web Apps」のWordを利用して書きまし

た。「Office Web Apps」も最初の頃は使い勝手があまり良くなかったのですが、

現在は極端に複雑な文書などを作成しようとしない限り、デスクトップアプリケーシ

ョンとほぼ同じ感覚で操作が可能です。

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┃4┃次期Officeを操作した感想

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実際に次期Officeを実行してみると、デザイン的に若干の変化はありますが、現時

点では殆どOffice2010と同じです。メニューもリボン形式がそのまま引き継がれてい

て、各メニュー内のアイコンなどの配置も一緒です。違和感があるのは、アプリケー

ション内のカーソル移動で、「Windows Phone」を操作したことがある方はお分かり

かと思いますが、ホーム画面を操作するときに画面全体が滑るような感じで動くのと

同じようにカーソルが動きます。Wordの文書内を矢印キーでカーソルを移動させても

ヌルヌルと、Excelをマウス操作でセルの選択をするときや、範囲指定を行う際にも

ヌルヌルとポインタが動きます。まったくもって意味不明な説明ですが、操作してい

ただければご理解いただけると思いますので、一度お試しください。

カーソルの動きはさておき実際の内容ですが、Office2010と比較してこの機能がと

ても便利ですとか、これが凄いというのは正直まだ見つけられていません。ただ、各

アプリケーションでファイルを保存する際にPDF形式で保存することが可能になりま

した。これによりOfficeドキュメントをPDF変換するために特別なソフトをインスト

ールする必要がなくなりました。但し、これはあくまでもOfficeアプリケーションの

お話しですので、弊社の業務システムをはじめ、CADソフト等のOffice以外のアプリ

ケーションからPDFを作成する必要がある場合は従来通りPDF作成ソフトが必要となり

ます。また、試しに弊社の販売管理から出力したPDFファイルをWordで編集するとい

うテストを行いましたが、残念ながらレイアウトが崩れてしまい、そのような利用も

できませんでした。

各Officeアプリケーションにはそれぞれタッチモードと呼ばれるモードが準備され

ており、タッチモードに切り替えるとリボン内の各ボタンの間隔が広がり、スマート

フォンやタブレット等のタッチ操作でもOfficeドキュメントを編集しやすいように

なっています。

またSNSとの融合も視野にいれ、Microsoftは企業向けSNSサービスの「Yammer」を

買収し、「Officeの基盤の一部となる」とし、さらに今後はSkypeなどとの統合も進

めていくとしています。

次期Officeは個々のアプリケーションの機能アップというよりは、今までデスク

トップアプリケーションだったOfficeを徹底的にクラウド対応していくという基盤の

バージョンアップということになると思います。

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┃5┃カスタマープレビューの入手

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次期Officeのカスタマープレビューは下記URLからどなたでも入手することが可能

です。

http://www.microsoft.com/ja-jp/office/Preview/default.aspx

上記サイトへアクセスすると画面中央に[個人のお客様]、[法人のお客様]と表示

されます(執筆時点)。[個人のお客様]を選択すると「Office Professional 2013

プレビュー」を、[法人のお客様]を選択すると「Office 365 ProPlusプレビュー」

を試用することができます。その他の製品も下方にあるリンクからプレビュー版を取

得できますが、取りあえずよく利用するOfficeアプリケーション(ExcelやWord、

PowerPoint)を試してみるということであれば、入手手続きが簡単な[個人の

お客様]を選択されることをお勧めいたします。「Windows Live ID」をすでにお持

ちの方はすぐに評価版を入手することが可能です。

「Windows Live ID」の取得方法やカスタマープレビューの入手方法がわからない

方は弊社担当営業までご連絡ください。

※Officeカスタマープレビューの実行はWindows7またはWindows 8 Release Preview

を搭載したパソコンでのみ可能となっておりますのでご注意ください。

今回のニュースは次期Officeの機能紹介というよりは、今後のOfficeの方向性とい

うような内容になってしまいました。MicrosoftはWindows8、次期Officeという2大製

品でタブレット、クラウド、SNSという、いま最も注目されているキーワードの分野

に一気に対応していこうとしています。そうなると私たちの業務も様々なデバイスを

活用しやすくなるので非常に興味深いです。

次期Officeカスタマープレビューは実行できるOSに制限がありますが「SkyDrive」

はWindows XPでも利用できますので、まずは

http://windowslive.jp.msn.com/skydrive.htm

へアクセスして「SkyDrive」+「Office Web Apps」を是非一度お試しください。