確定申告システム:e-Tax(国税電子申告・納税システム)について

12月 31
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2008年も残すところあと僅かとなって参りました。皆様にとってはどんな一年だった
でしょうか? 今年は北京五輪での日本人の活躍やノーベル賞受賞など明るい話題も
ありましたが、サブプライムローンに端を発した世界同時株安、中国での大地震など
暗い話題が多かった一年という印象を受けます。
2009年こそは、明るい世の中になって欲しいと思うのですが・・・

さて、今回お伝えするのは、確定申告システム:e-Tax(国税電子申告・納税システム)についてです。
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┃1┃e-Taxとは。
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e-Taxとは、あらかじめ開始届出書を提出し登録をしておけば、インターネットを利
用して、国税の申告・納税・申請などができるシステムのことです。
確定申告といえば、多くの方が会社(税理士事務所など)に行ってもらっているかも
しれませんが、e-Taxを既にご利用されて申告されている方もいらっしゃるのではな
いでしょうか。

では、実際にe-Taxを行う手順をご紹介しましょう。
今回は例として、個人で申告する場合についてご紹介致します。
詳細については、e-Taxのホームページ http://www.e-tax.nta.go.jp
をご覧下さい。

(1)事前準備
・パソコンの準備:推奨スペックについての詳細はHPに記載されていますが、決して
 高スペックのパソコンが必要なわけではありません。

・電子証明書の取得:申告書をデータで送信するため、送信した内容について本人
 である証明が必要となります。これが電子証明書と呼ばれるものです。
 (実際の書類でいうところの印鑑のようなものです)
 電子証明書の代表例としては、地方公共団体による「公的個人認証サービス」に
 基づく電子証明書があります。
 
 「公的個人認証サービス」については、住民票のある市区町村の窓口(札幌市に
 住民票がある場合では札幌市役所)で発行を受けられます。
 有効期間は原則3年です(婚姻や転居などにより住所・氏名などが変更になった
 場合、電子証明書は失効します)

 正し、このサービスを受けるためには「住民基本台帳カード(ICカード)」を
 入手しなければなりません。
 こちらも、住民票のある市区町村の窓口で発行を受けられます。
 「公的認証サービス」と「住民基本台帳カード(ICカード」発行にかかる
 手数料は、どちらも500円程度(市区町村によって異なります)です。

 その他にも、ICカードリーダーライターが必要となります。
 ICカードリーダーライターとは、e-taxを使用する際に住民基本台帳カードを
 装着し電子証明書を読み取る機械です。
 こちらは、電子証明書のデータを読み取り送信する際に使用します。
 (家電量販店で3,000円程度で販売しています)
  
・開始届出書の提出
 こちらは、納税地を所轄する税務署に提出を行う必要があります。
 ※オンラインで提出することが可能です、もちろん書面での提出も可能です。
 開始届出書を提出した後、利用者識別番号等がオンラインで通知(発行)されます。

(2)ソフト登録作業
次にパソコンへe-Taxソフトをインストールします。ソフトはCDーROMまたは、
e-Taxのホームページからダウンロード可能です。
インストール後、ログインを行い(ログインには利用者識別番号が必要です)
やっと申告書を作成して送信する準備が完了となります。
(※実際の作成は、会計ソフトやe-TaxHP内にある確定申告書等作成コーナー
 にて作成することとなります)

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┃2┃メリットとデメリット
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メリットとしては、今までのように、申告書提出に税務署に行かなくても
良くなります。また、国税の納付についても電子納税
(インターネット・モバイルバンキング)で行えるため銀行の窓口が空いて
いる時間に行かなくても良くなります。

e-taxの利用時間については、平成21年1月19日~平成21年3月
16日までは、24時間受付ているため夜でも送信することが可能です。
(通常期は上記とは異なります。1月19日は午前8:30から受付)

また、給与所得等の源泉徴収票や生命保険料控除の証明書等の第三者作成
書類については、e-Taxにデータを入力するだけで書類の提出を省略出来ます。
(※入力内容を確認するため、必要ある時は税務署から提出または提示を
 求められる場合もあります)

他には、平成19年度分または20年度分のいずれか1回の申告で最高
5,000円の所得税控除を受けることが出来ます
(※平成19年度分に上記控除を受けた場合、20年度は受けられません)
(※本人以外の電子署名した代理送信による申告では控除を受けれません)

また、e-Taxで還付申告を行った場合は早期処理(申告から3週間程度)を
行っているので、通常より早く還付されます。

デメリットとしては、実際小職が行ってみての感想なのですが、やはり準備
に非常に時間と手間がかかることです。
ソフトのインストールやJAVAの最新版インストールなどの作業もあり、
PCにある程度詳しくないと簡単には操作できない印象を受けました。

また、ホームページなどにあるマニュアルやヘルプもわかりずらい印象を
受けました。(例:エラーコードに該当する項目を見ても、「ソフトの
設定を確認して下さい」など)

メリットである、5,000円の所得税控除についても、「公的認証サービス」
と「住民基本台帳カード(ICカード」発行手数料、ICカードリーダーライター
の購入費用を合わせるとそれだけで結構な金額がかかります。

小職も、http://www.e-tax.nta.go.jpのサイトの中にある情報をいろいろ見なが
らなんとか作成を行い送信したのを覚えています。

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┃3┃結局のところ・・・
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現在のe-tax利用率は、平成19年度で3%程度であり、目標利用率(平成22
年度:50%)までは厳しい状況です。
利用率を上げるのであれば、e-Tax使用者には毎年控除を続けることなどの魅力が
必要なのではないでしょうか。

また、システムとその説明が非常にわかりずらいものなので、システムとマニュ
アルの改善も必要だと思います。
(システムに関しては平成21年上旬からは、少し改善される模様です)

電子署名についても、他の人が勝手に申告をしないように(なりすまし防止)
必要ですが、もう少し簡単になればと素人的には考えてしまいます。

ただ、e-tax使用初年度以降は面倒な手続きも少なくまた、システム
なども毎年改善されてきています。また、5,000円の所得控除も現段階では
平成20年分までの適用で以後の実施は発表されておりません。控除分の金額
がe-Taxの準備費用にかかりますが、それは今後毎年行う確定申告の準備費用と
考え、この機会にe-taxへ変更してみるのも良いのではないでしょうか。

※本文章は2008年12月中旬に書いている記事ですので変更され
 ている部分があるかもしれません。
 また、本記載時点では平成20年度分確定申告書等作成コーナーは
 開設されておりませんので詳細につきましては、
 http://www.e-tax.nta.go.jp をご覧下さい。

(MATSUSHITA)