今後のITキーワード

12月 31
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皆さんこんにちは。2007年もいよいよ終わりですね。野球では北海道日本ハムファイ
ターズがリーグ2連覇、サッカーではコンサドーレ札幌がJ2優勝、J1昇格と北海道の
スポーツが大変盛り上がった1年でした。その一方〝景気回復〟という点ではまだま
だ盛り上がりを感じられないというのが私の実感ですが、皆さんはどのような2007年
でしたでしょうか?

 さて今回は限りあるIT予算を効果的にご利用いただき、企業力高めていただけるよ
うに数あるITキーワードの中からいくつか注目のキーワードをご紹介したいと思いま
す。

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┃0┃何といっても安価で高速なネット回線!
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 いきなり〝何を今更?〟と言われそうですが、今後の注目キーワード語る上でこの
ネット環境の向上をなくして実現できなかったことばかりですのであえて『0』とし
ました。

 数年前までは高速回線はそれなりに高価なサービスでしたが、今となっては個人で
もADSLサービス、光回線サービスを利用している人の方が大多数だと思います。ダイ
ヤルアップでの接続や社内でも一部のパソコンでしかインターネットやメールができ
ないなんて時代もありましたね。

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┃1┃ITからICTへ
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 〝IT(Information Technology)〟という単語は皆さんご存じの通り『情報技術や
コンピューター関連技術』として、今でもいろいろなところで数多く用いられていま
すが、内容的には〝ICT(Information & Communication Technology)〟と変わりま
した。『情報・通信の関連技術』ということで、これまた裏方的なキーワードですが
Webや電子メールを始め、テレビ会議システムや拠点間、企業間の連携システムなど
最近のシステムは情報技術と通信技術の両方を上手く利用することにより構築されて
います。

 〝ICT〟の発達により企業のシステムはもちろんのこと、私たちの消費活動も大き
く変化しました。ネットショップでの商品購入をはじめ、航空券やホテル、観戦チケ
ットなどのサービスの購入でインターネットを利用するという人も多いのではないで
しょうか。ネットでの購買は不安という声も年々減ってきています。また、ネットで
の購入に抵抗がある方でも、ネット上で欲しい商品をメーカー別に比較して、口コミ
情報を見て検討し、商品が決まったら販売店毎に価格を比較してから購入するお店を
決定する。というのも今となっては普通の流れとなりつつあります。

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┃2┃Web1.0からWeb2.0へ
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 〝Web2.0〟は弊社の過去のニュースでも何度か登場しましたがここでもう一度紹介
します。企業や個人がホームページを作成して、企業は自社商品の紹介や宣伝を行い
個人は趣味や身の回りの出来事などを紹介するといったように、Webを「情報発信す
るための手段」として利用するのを『1.0』としています。それに対し、『2.0』は情
報発信ではなく、ネット上にある「情報や知識を利用する」と「利用者が参加する」
という考えに基づいています。個人のブログを始め、有名なサービスでは「ウィキペ
ディア」や「mixi」などのユーザーの情報(知)をネット上で集めて他のユーザーが
利用できるようになっています。「YouTube」や「ニコニコ動画」などの動画投稿サ
イトも〝Web2.0〟に位置付けられます。

 有名サービスだけを見ると、個人向けのようにも思えますが、先ほどの例で紹介し
たように、顧客やユーザーの声を商品やサービスに反映させる為に、消費者向けに
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や企業ブログの活用に注力してい
る企業も増えています。

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┃3┃サーバー分散からサーバー統合へ
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 〝サーバー統合〟とは文字通り、各拠点や部署に分散されていたサーバーを集約し
て管理を統合することです。以前は拠点間でWANを構築するネットワークは高価でか
つ低速だった為、各拠点にサーバーを配置し、各拠点で処理を行うのが主流でした。
しかし、高速回線が安価になったために分散配置されたサーバーは逆にコストが増大
するという状況になってきました。ハードウェア、ソフトウェア、セキュリティ対策
や運用管理費用などがサーバーの台数分かかる為です。サーバーの配置を一か所、
または数か所に集中し、各拠点からは高速な回線を介して接続することにより、サー
バーの台数を抑え、費用を削減することができます。

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┃4┃リモートアクセス
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 〝リモートアクセス〟という単語は以前からあったのですが、これも通信環境の大
きな変化により状況が変わりました。本来は公衆回線や携帯電話などで、会社のサー
バーやネットワークへアクセスすることを意味していましたが、現在ではインターネ
ットからのアクセスも含めてリモートアクセスと呼んでいます。

 弊社でもインターネットを介して、会社のサーバーや、自分のパソコンへアクセス
することが可能な環境になっています。自宅や出張中のホテルなどから会社のパソコ
ンへと接続すると、普段自分が利用しているパソコンのデスクトップがそのまま手元
のパソコンに表示されます。当然、通信環境にもよりますが、基本的には画面情報と
キーボード・マウスの操作情報しか回線上を流れず、実際の作業はアクセス先のサー
バーや自分パソコンが行うので、自分のパソコンの前に座っているのとほぼ遜色なく
利用することができます。私が持っているノートパソコンはCPUがPentiumⅢでメモリ
が384MB、と今ではお世辞にも性能が良いとは言えませんが、リモートアクセスで利
用する分には全く不便を感じません。例えば同じ開発作業を行うにしても、ノートパ
ソコン本体で作業を行うよりも、リモートアクセスで作業を行った方が逆にスピード
が速くなります。性能の良くないノートパソコンのCPUで処理をするよりも、性能の
良い会社のパソコンで処理を行った上で、画面情報とキーボード・マウスの操作情報
を受け取った方が全体的な処理速度は上がる為です。

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┃5┃シンクライアント
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 〝シンクライアント〟の〝シン(thin)〟とは『薄い』や『やせている』という意
味があります。先の〝リモートアクセス〟のように処理をサーバー側で行うのであれ
ば、「クライアントパソコンの性能は低くてもよい」という発想から必要最低限の機
能しか持たせないクライアントパソコンのことを〝シンクライアント〟と言います。
むか~し昔の〝ダム端〟の発想に似ています。〝ダム端〟とはオフコンやメインフレ
ームといった大型のコンピューターにぶら下がり、ホストコンピューターが表示する
文字列を受け取り画面表示する機能と、入力機能しか持たない端末で処理は全てホス
トコンピューターが行います。

 このキーワードも実は以前からありました。運用管理コストが低減できるといった
メリットはあったのですが、その反面で本来は低スペックで安価になるはずのクライ
アント本体の金額が、量産タイプのパソコンより高価になり、さらに量産タイプのパ
ソコンはOffice製品などのプリインストールモデルといったソフトウェアとの抱き合
わせの販売形態が主流となったため、〝シンクライアント〟は初期費用が抑えられず
このソリューションは火が付きませんでした。

 しかし、2005年4月に施行された『個人情報保護法』により、クライアントに記録
媒体を持たない〝シンクライアント〟を導入し、データをクライアントに保存する事
を制限し、パソコンの盗難や、紛失、データの持ち出しなどによる個人情報の漏洩を
防ぐというセキュリティ面で再び注目されています。それに伴い、クライアント本体
の価格も安価になってきているので、セキュリティ面も考慮してシステム構築を行う
のであれば、是非ご検討いただきたいと思います。

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┃6┃グリーンIT
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 最後は広く長い目で環境問題について少々。環境に対する意識が世界的に高まって
いるのは新聞やニュースでご存知のことと思います。CO2の削減目標なども掲げられ
ていますが、CO2の排出にサーバーやクライアントパソコン、プリンタ等のIT機器も
悪影響を与えています。各メーカーも消費電力の削減を目標に様々な取り組みや開発
を行っています。私たちが比較的行いやすい対策としては

 1.省電力のものを導入する。
 2.計画的に増設する。

という点になると思います。サーバーやパソコンの台数が少なければ、空調設備の消
費電力も下がります。弊社も今年の夏に空調設備の増設を余儀なくされましたが、来
年の夏を迎える前に、空気の流れを考慮し、サーバーの配置をもう一度検討し直そう
と思っております。

 また、クライアントパソコンの消費電力も無視はできません。サーバーよりも台数
が多く、管理が利用者に任せられていますので、電源が24時間365日ついたままなん
てパソコンが存在するかもしれません。Pentium4搭載のパソコン本体と、17インチの
液晶モニターのセットで、省電力の機能を利用しないと1時間当たり約100ワットの電
力を消費します。「そんなに!」と思う人と、「そんなもん!」と思う人がいるとは
思いますが、いずれにしても使用しないのに電力を消費しているのですから〝無駄〟
です。パソコンの「電源オプション」を利用して、スタンバイモードや休止モードへ
の移行管理を行うようにし、電源の投入もタイマーやリモートで行う機能を今のパソ
コンは備えておりますので、そのような機能も組み合わせて、必要な時にだけ電源を
入れるというのも身近にできる対策の一つだと思います。

 いかがでしたでしょうか。お客様の業態により優先順位は異なるとは思いますが、
どれも2008年に注目されるキーワードになると思います。

 本年も皆様にご愛顧いただきスタッフ一同、大変感謝いたしております。Webの活
用や、サーバー・クライアントの活用、はたまた環境問題までをも考えるソフトウェ
ア・コンサルタンツを来年もよろしくお願い致します。

(TETSUYA)

●年末年始休業日のお知らせ
 年末年始休暇のため、2007年12月29日(土)~2008年1月3日(木)の間休業させて
いただきます。