オフィスソフトの動向とWordの便利機能

8月 01
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皆さまこんにちは。駒大三連覇の夢が途絶えるのと一緒に気持ち的には夏も終わった感があったのですが、どうにもこうにも暑く寝苦しい夜が続き、電気店のエアコンコーナーへ行っては、「どうせ後何日かだ。。。」と自分に言い聞かせて帰ってくるという日々を過ごしていた私です。とはいえそろそろ日中は暑くても朝夕はガラッと冷えるという季節になってくると思います。体調管理に気をつけてなくてはいけませんね。

 ガラッと変わると言えば日々使用しているパソコンの環境も、もう直ぐ新しいものが登場してきます。6月号で紹介いたしましたブラウザ〝IE7〟をはじめ、OSは〝Windows Vista〟、Officeソフトは〝Microsoft Office 2007〟と既存環境の後継が次々と登場してきます。そんな中、今回はオフィスソフトについてのこれからの動向とWordの便利機能の紹介を行いたいと思います。
Excelは弊社への問い合わせも多く、また皆さまにも使い込んでいらっしゃると思いますが、Wordの機能についてはあまり問い合わせをいただいたことがありません。そこであえて私が特に「便利だな~」と感じているWord機能を紹介したいと思います。

 オフィスソフトについての動向と言うのは、マイクロソフト社のオフィスに製品のことだけではありません。今までWindowsパソコンを使用しているユーザーのほとんどのオフィス製品はマイクロソフト社のオフィスでしたが、それとは異なった発想、アプローチの製品が近い将来登場してきそうです。

Googleが提供を予定している「Writely」というワープロソフトがあります。このソフトの今までのオフィス製品との大きな違いは〝Webブラウザだけで利用できる〟という点です。クライアントへソフトのインストールは必要ありません。現在はまだ英語のBeta版ですが、http://www.writely.com/にアクセスし、ユーザー登録することにより使用することができます。Webブラウザ上での作業ですが、右クリックをするとインターネットエクスプローラーのメニューではなく、ワープロソフト独自のメニューが表示されて編集することが可能です。作成したデータはインターネットのサーバー上に保存され、インターネットに接続できるパソコンさえあれば、どこででも自分の文書を作成、編集することができます。また、そのサイトでの広告収入をメインとし、一般ユーザーには無償提供、企業用に有償版を検討しているという提供形態も今までのものとは大きく異なるところです。
保存先がネット上のサーバー限定ということになれば、セキュリティの関係上からも企業ユーザーの利用はあまり考えられませんが、そのあたりが改善されると、低価格で手軽な環境でのワープロソフト利用が実現するかもしれません。

表計算ソフトではTrimPathが提供している「NumSum」というソフトがあります。このソフトもBeta版で速度的な問題等、まだまだ課題はありますが、表計算ならではの合計の計算、グラフの作成、セルの結合などが可能です。Http://numsum.com/にアクセスし、ユーザー登録後ログインすることにより使用することができます。

このように新しい形でのオフィスソフトが登場しつつあるなか、マイクロソフト社も来年の1月にOffice2007を発売します。Office2007のコンセプトは従来どおり、高機能化と使い易さ、また他のオフィス製品との連携のしやすさにあります。その中でも最初に驚く変化はユーザー・インターフェース(機能メニュー)の一新です。マイクロソフト社が「結果指向」と呼んでいる新たなユーザー・インターフェースはメニューアイコンにカーソルを置くだけでそのメニューの実行結果をプレビュー表示する機能や、ユーザーの作業を先読みして必要なメニューを表示したりします。プルダウンメニューはなくなり、そこにタブ形式のメニューが配置され、選択されたメニュータブの中に該当する機能のアイコンが配置されるようになります。
私が見た限り、あまりにも変わりすぎていて、現時点で使いやすいのか、使いづらいのか何とも言えませんが、「慣れるまで大変そう」と言った感想を持ちました。

Office2007の早期評価を行い方はBeta版が提供されていますので、利用してみてください。ただしBeta版のダウンロードは7月中に終了してしまいましたので、ご自分のパソコンに評価環境を作りたい場合は、CDまたはDVDでの郵送(有償)で入手するか、雑誌等の付録として入手しなくてはいけません。評価環境を自分のパソコンに作成しなくてもよいという場合はインターネット上のテストドライブにアクセスすることにより評価することが可能です。以下にその手順を紹介いたします。

【Office2007 のテストドライブを起動する方法】
 1.インターネットエクスプローラーを右クリックしプロパティを開きます。
 2.セキュリティタブをクリックしWebコンテンツのゾーンからインターネット選択して下の[レベルのカスタマイズ]ボタンを押します。
 3.[ActiveXコントロールとプラグイン]の中の[未署名のActiveXコントロールのダウンロード]という項目の設定を「ダイアログを表示する」に変更して[OK]を2回押して画面を閉じます。
 4.Http://www.microsoft.com/japan/office/preview/beta/testdrive.mspxにアクセスします。
 5.[Microsoft Office の試用版を試す]をクリックします。
6.新しいウインドウが開きますので[Citrixブラウザ プラグインをロードする]という表示をクリックします。
7.文字化けした場合はプルダウンメニュー[表示]-[エンコード]の中の[自動選択]にチェックを入れてください。
8.セキュリティ保護の警告が表示されますのでクリックして [ActiveXコントロールのインストール]を選択してインストールを続行します。
9.セキュリティ警告のウインドウが表示されるので[インストールする]ボタンをクリックします。
 10.インストールが終了したら[次へ]ボタンをクリックします。
 11.ネットワークの確認が成功すると[登録する]ボタンが表示されるのでクリックします。
 12.「Windows Live ID」を持っている方はサインインを行います。持っていない方は[今すぐ登録]ボタンを押して登録を行ってください。
 13.アンケート画面が表示されますので、軽い気持ちでお答えください。
 14.新規登録した場合は登録したメールアドレスにBeta版Office起動の続きのステップが記述されたメールが送信されてきますので、そのメールのリンクをクリックします。
既に登録されている方はアンケート回答後に[テスト ドライブ起動する]というボタンが表示されますのでクリックします。
 15.新しいウインドウが起動してOffice2007を体験することができます。
 16.3で変更したセキュリティ設定を元に戻してください。

ご覧いただくとお分かりになると思いますが、メニューがまるっきり違うことに驚かされます。現時点で直感的に「使いやすく効率が良くなるな」と感じたのは、WordでもExcelでも文字やセルを右クリックすると、フォントの種類や大きさ、色や罫線などのメニューがマウスカーソルの直ぐそばに表示される機能です。今までフォント変更やセルに色をつける場合などはマウスの移動が多かったのですが、この機能により大幅に軽減されそうです。

 当初今回のニュースは全て新機能の紹介と思っていたのですが、Office2007はまだ少し先の話ですので、話の内容が急展開で申し訳ございませんが、今すぐに使えるWordの便利機能も少しご紹介したいと思います。

【定型的な文章の入力に定型句を使う】
会社情報や手紙の挨拶文など、決まったことを何度もその都度入力するのは面倒かと思います。このような決まった文言を登録しておけば、入力の手間が省けて便利です。IMEの単語登録機能と似ていますが、単語登録機能ですと、1行1行入力して変換を行わなくてはいけません。Word の定型句を使えば、複数行にまたがる文字列やグラフィックなどを登録しておくことができます。定型句を登録するには、次の操作を行います。

1.定型句として登録する文字列またはグラフィックを選択します(定型句と一緒に段落書式も保存するには、末尾の段落記号も含めて選択します)。
2.[挿入]-[定型句]を選択し、[定型句]をクリックします。
3.選択した文字列が[プレビュー]ボックスに表示され、[定型句の登録名]に選択した文字列の先頭が表示されますのでわかりやすい登録名を入力し[追加]ボタンを押します。
4.定型句を挿入するには、文書内で、先ほど登録した定型句の登録名を入力します。
5.定型句がポップアップで表示されますの[Enter]キーまたは[F3]キーを押します。(定型句を挿入しない場合は、そのまま入力を続けてください。)

【印刷プレビューで文書を編集する】
作成した文書を印刷プレビューで表示しているときに、画像の位置や、改行の位置など修正が必要な箇所を見つけてしまった場合にプレビューを閉じずにそのまま編集を行うことができます。
  1.[印刷プレビュー]を実行し、文書を確認します。通常プレビュー時のアイコンは虫眼鏡マークになっており、プレビュー画面の拡大、縮小ができる状態になっています。
2.編集したい部分をクリックして拡大表示を行い、[印刷プレビュー]ツールバーの プリンタマーク横の[拡大]ボタンをクリックします。
3.マウスポインタが虫眼鏡の形から編集時の|型ポインタに変わり、文書を変更することできます。
  4.編集が終わりましたら再度[拡大]ボタンを押すことによりプレビュー画面に戻ることができます。

【アルファベットの大文字/小文字を簡単に切り替える】
英文字の入力しているときに先頭の英文字が大文字に自動変換されたり、先頭文字を大文字にするところ小文字で入力してしまったりといったことがあるかと思います。そのような時はこの機能を使うと、文字を入力し直す手間が省けて便利です。

1.大文字/小文字を切り替えたい英文字列上にカーソルを持っていき、[Shift+F3]キーを押します。[Shift]キーを押しながら[F3]キーを押すたびに、先頭大文字 ⇒ すべて大文字 ⇒ すべて小文字の順にトグル式で切り替わります。

【隣り合わない複数の文字列を選択する】
 隣り合わない文字列や、複数の見出しを選択しておいて一度の作業で書式等を変更したいという場面も多いかと思います。
1.[Ctrl]キーを押しながらドラッグを行い隣り合わない文字列の選択をします。
2.全ての範囲を選択しましたら書式設定などの操作を行います。

【文書に透かし文字などを追加する】
透かしとは、本文の後ろに薄くぼんやり見せる文字列や図のことで、会社のロゴや〝社外秘〟などの文字列を透かしとして追加すると、より印象的な文書を作成することができます。
  1.[書式]-[背景]を選択し、[透かし]をクリックします。
  2.図を透かしとして挿入するには、[図]をチェックし、[図の選択]をクリック後、目的の図を選択して[挿入]をクリックします。文字列を透かしとして挿入するには、[テキスト]をクリックし、[テキスト]ボックスに透かしで入れたい文字列を入力し必要に応じて色などの設定を行い[適用]をクリックします。

【ブックマークを使って長い文書内を簡単に移動する】
長い文書を作成して作業している場合は、目的の情報がどこにあるのか探すのが大変になってきます。こんなときは、ブックマーク使用して目的の情報まで簡単にカーソルを移動することができます。
1.文書内でブックマークを追加する位置をクリックします。
2.[挿入]-[ブックマーク]をクリックします。
3.[ブックマーク]ダイアログボックスが表示されますので、ブックマーク名を入力して[追加]をクリックします。
4.ブックマークの位置に移動するには[F5]キーを押して[検索と置換]ダイアログボックスを表示します。
5.[ジャンプ]タブをクリックし、[移動先]で[ブックマーク]を選択し、右に表示される[ブックマーク名]ボックスからジャンプしたいブックマーク名を選択して[ジャンプ]ボタンをクリックします。

【貼り付けた写真などの位置を微調整する】
文書に配置した写真などの図は矢印キーで移動できますが、通常はグリッド間隔で移動するため思った位置に合ってくれない場合があります。グリッド線に関係なく、図を細かく移動したい場合は[Ctrl]キーを押しながら矢印キーを押すことにより細かな位置移動が可能です。 ただしこの機能を使用するには図の[書式設定]ダイアログ内の[レイアウト]タブで[行内]以外の配置が選択されていないと移動しませんのでご注意ください。

【1枚の用紙に複数ページ印刷する】
通常は1枚の紙に1ページ印刷すると思いますが、複数ページを1枚の用紙に印刷する方法がありますので最後に紹介いたします。私的には小さく印刷して手帳に貼りたいときや、プレゼンのカンペの印刷等に重宝しています。
1.[ファイル]-[印刷]をクリックして印刷ダイアログボックスを開きます。
  2.右下の[拡大/縮小]欄にある[1枚あたりのページ数]に出力したいページ数を選択します。

 いかがでしょうか。新バージョンのOfficeもいいですが、まだまだ知らない便利機能があったのではないでしょうか。ここでご紹介した機能は皆さんが使用されているOfficeのバージョンによって実行可能なものと可能でない物があります。現時点での最新バージョンのOffice2003を使いのお客様は全ての機能が可能ですので是非お試しください。

(Black Knight)