「業務の効率化」の必要性について

12月 01
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もうあと数日で、今年も暮れようとしています。皆様いかがお過ごしですか?

いまや右を見ても左を見てもIT産業が花盛り、という感じですね。
とうとうプロ野球にまで「黒船」が到来したのは記憶に新しいところです。
しかしその反面、「巨人」IBMがパソコン事業を身売り。時代の流れの速さや価値
観の変化には、ただただ驚くばかりです。

そういえば、あのインターネットの世界の凄まじいまでのパワーはどこから来るのか
みなさんご存知ですか?
何を隠そう、あの勢いを作っているのは、みなさんや私たち一般ユーザなのです。
インターネット技術を基盤としたパソコンの活用ですが、個人や自営業、中小大企業
から国家までが「同じ土俵」で勝負しています。
それだけ競争は激しいのですが、みんなに同じチャンスがあるともいえるのです。
「黒船」とてつい数年前までは、一般には知られていない企業だったのですから・・
こういった千載一遇のチャンスを生かすのも殺すのも、わたくしたち次第。時代の流
れをしっかりと見据えて、さらなる飛躍をしたいものですね。「不景気だ」なんて言
っている場合ではありませんよ。

さて、今回のご案内は「業務の効率化」についてです。

ご存知のように2000年に乳製品による集団食中毒事件が起こり、2001年には
牛海綿状脳症(BSE:狂牛病)にかかった乳用牛が発見されるなど、食に対する安
全神話が危険信号となりました。しかも、産地偽装事件などが相次ぎ、産地表記につ
いての長年培ってきた信頼までもが薄れ始めています。その結果、消費者は食の安全
性を強く求めるようになり、若干高くても産地や生産者が分かる食品を選ぶようにな
ってきました。

こういった背景によって今月から施行された牛肉トレーサビリティ法ですが、この制
度を必要としているのはなにも牛肉に限った話でないのはいうまでもありません。今
後はどの食品でも、さらには体内に入るどのような器具(注射針や心臓ペースメーカ
など)でも同じような制度が確立されていくのは自然な流れだと言われています。

私たちの会社は、業務ソフトウェアを作成していますので、今回のトレーサビリティ
法への対応なども、お客様と一緒に悩み、どうすればスムーズに運用が行えるのかを
考えることが出来ました。

しかしこのときに強く感じたのが「業務の効率化」の必要性についてだったのです。
どの民間企業でも、「売上」というものを中心に考えますし、コンピュータ化に対し
ても真っ先に行うのが、売上・請求の分野です。

それは私どものお客様をみても、10年以上前からその流れが変わっていないという
ところがほとんどではないかと思います。
これは私どもの「効率化へのご案内」方法に問題がありますし、費用に対してその効
果が見えにくい、という事で敬遠されがちなところなようです。

しかし、今回のトレーサビリティ対応などで業務の見直しを行ってみると、意外にも
効率化を邪魔しているもっとも大きな原因が「お手軽な運用」にあったのです。

急ぐので電話で発注する、伝票を書かずにとりあえず出庫する、いつの間にか不良在
庫の山・・などなど、システム化する必要のないと思われた箇所、「手書きのほうが
簡単でいいと」思われたところこそ、あとになって非効率な業務を生み出す根源とな
っているようです。これではトレース(追跡)しようにも・・・・・

私の会社は規模が小さいので、いろいろな「業務運用の実験場」となっています。
インターネットをはじめとした先般ご案内しているグループウェアはもとより、業務
の流れについても、随時、管理が必要ではないか、逆に無駄な管理をしていないかと
いう事を考え、改善しています。もちろん零細企業ですから、「手書きで十分」とい
う考え方をしたほうが良い場合もあるのですが、そこはあえてコンピュータによる効
率化という事を主眼に置くようにしています。

以下、弊社を例にした業務運用です。

1.顧客情報
  お客様の情報は、請求先と納品先の区別をつけて管理しています。
  現在の課題はお客様の担当者であり、これを年賀状データなどと結ぶことを目標
  としています。

2.見積管理
  どのお客様へも、誰が作成しても、同じフォーマットで管理しています。もちろ
  ん後になって、本人であれ、他担当であれ、参照が可能なようになりました。最
  近では「お客様へ口頭で提示した見積」も、同じデータとして取り扱いをするよ
  う徹底しています。営業会議では、どの案件が決まるのか決まらないのか、この
  データから出す資料が最重要ポイントとなります。

3.受注管理
  注文書のあるなしに関わらず、受注した段階で即時入力しています。なぜなら受
  注しないと発注できないルールとしてしまったのです。これにより最初は窮屈で
  したがタイムリーな受注情報が得られるようになりました。現在ではさらにここ
  から資金繰りに直結するデータまでも作成できるようになりました。

4.発注処理
  先程の受注処理を行うことにより、仕入先別の発注書が連動して発行されます。
  それを担当者がチェックし手動でFAXしています。そろそろ自動FAX送信に
  したいと思っています。

5.仕入処理
  弊社はほとんど在庫を持ちませんので、仕入は月末に一括入力しています。ただ
  その際に「どの受注分か」を判断できるようにしてあります。したがって仕入先
  の請求ミス、もしくは弊社の入荷モレは完全に判るようになりました。

5.売上処理
  納品時に請求書を発行する弊社では、特にご希望のあったお客様にしか納品書を
  発行していません。一ヶ月に何度も納品するような業態では向かない方式ですね
  。受注管理を徹底しているため、請求モレの危険性は少なくなったようです。

6.入金処理
  銀行から入金情報を受け取るまでには至っていませんので、インターネットで銀
  行が開示してくれる振込み情報を元に、手入力しています。集金モレをリアルタ
  イムに把握できるよう、入金入力も毎日行っています。

7.支払入力
  ここは殆ど管理不要なため、他の月末処理が終わってから行います。

8.棚卸処理
  在庫をあまり持ちませんが、やはり管理は必要です。最近までは1つ1つの商品
  をコード管理していましたが、あまりにも商品の種類が必要以上に多くなるので
  ある程度まとめて管理する事にしました。毎月末には棚卸を行いますので、誤差
  はありません。

9.日報管理
  お客様への作業時間を日々の日報データとして集計しています。弊社は物販が中
  心ではないため、「時間原価」の考え方も重要となります。お客様への作業時間
  配分が適切かどうかを、毎月の営業会議で検討するようにしています。

10.成績管理
  弊社で独自に行っている売上の評価システムです。納品の終了時に担当者から報
  告させ成績配分を行っています。こういったことにより担当者別の売上を集計し
  こちらも毎月の営業会議で報告します。

11.資金繰り管理
  零細企業なればこそ、資金繰りは切実な問題です。半年先、来月、今月・・・
  前述の見積や受発注、売上仕入のすべての情報をリアルタイムに反映し、早い段
  階から資金手当てを行えるようにしています。おかげ様で会社設立時から「不測
  の事態」ということには遭遇しなくて済んでいるようです。(現預金が余ってい
  る訳ではありませんよ)

いかがでしたか?年商1億にも満たない会社にしては、随分と手間隙かけているよう
に感じられるかもしれません。でもこういった仕組みがあるので、最小人数で会社運
営をすることが出来るのではないかと思います。もっともまだまだ改善点はあり、皆
様へさらに適切なご提案が出来るよう、これからも「実験」を続けていきたいと思い
ます。

というわけで、少し取りとめのない内容になってしまいましたが、今回は「業務の効
率化」の必要性について、という内容でした。
もし、皆様のほうでも面白い仕組みがあれば是非教えてください。どんどん取り入れ
て行こうと思います。

それでは最後になりますが、皆様にとって来年も良い年でありますよう、お祈願させ
て頂きます。
また、弊社への変わらぬご愛顧もあわせて、来年もよろしくお願いいたします。

【追伸】
平成17年2月に石丸会計、村上会計様と合同で第2回の企業向けITセミナーを開催
いたします。詳細は追ってご連絡させて頂きますが、中小企業がどのようにIT化へ
取り組むべきか、それによってどういったメリットを得られるかを、なるべく具体的
にお見せできる内容にしたいと思います。残念ながら、会場の関係で人数に限りがあ
りますので、何卒お早めのお申込をお願いいたします。

                                  (井関)