サーバの入替に関する検討事項

7月 31
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7月初旬に大阪へ出張して「猛暑」を体験させていただきました。

普段、北海道で生活している私たちは「近年はこっちも暑くなったよね」というの

が定説で、梅雨こそあまりないものの気温は内地(本州)に近づいたかな?と思って

いました。でも相当違うものですね。

みなさん、これから始まる「夏本番」の暑さ対策には十分ご注意下さい。

そんな涼しい(?)北海道ですが、この立地条件活かし2011年に日本で最大級

のデータセンターが石狩市に建設されています。

データセンターなんて大企業のものだと思っていて、あまり気にもとめていなかった

のですが、今回は必要性に迫られてとうとう利用することになってしまいました。

今回はこの経験をもとに、皆様の会社にあるサーバの入替をご検討する際に考慮可

能な「もう一つの選択肢」をご案内します。

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┃1┃自社サーバの役割

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一口にサーバと言ってもその役割は様々です。一般的なお客様の使用目的はおおま

かに下記の4つに分類することができると思います。

①ホームページ運用のためのWEBサーバ

②スケジュールやメール管理などのグループウェアサーバ

③ExcelやWordなどのOAデータ保管を行う共有データサーバ

④販売管理システムなど業務用ソフトのデータベースサーバ

①と②は早くからクラウド化が進み、セキュリティの強化というメリットという側

面も手伝って、自社のデータベースと連動しないのであれば、レンタルサーバを活用

しているお客様が多いようです。

③はDropboxやSugerSyncが火をつけたクラウドストレージという分野が近年では脚光

を浴びていて、グーグルやマイクロソフト、ヤフーなどもサービスに参戦したため

現在では飽和状態に思えるくらいの状況になっています。

これに対して④の業務用サーバは社内に置いてあることが多く、「老朽化したら入

替する」のが一般的です。

オフコン時代から変わらない流れなのですが、業務用サーバにはお客様独自の運用形

態が多く、レンタルサーバにはWindowsが少ないという事もその要因となっています。

しかし近年では前述の石狩市にあるデータセンターをはじめ、様々なニーズに応え

る業者が出てきました。

以下、今回の利用経験から業務用ソフトのデータベースを管理しているサーバについ

て、レンタルサーバを活用するまでのポイントをまとめてみました。

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┃2┃レンタルサーバで運用可能か?

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やはり一番の問題は「現在の業務がレンタルサーバで運用できるのか?」というと

ころです。

その判断をするためには、レンタルサーバとの通信手段を選択するところから検討が

必要になります。

レンタルサーバは遠隔地にあるため、基本的には「通信しながら」使用します。

社内にあるサーバも通信はしていたのですが、レンタルサーバとの通信はインターネ

ットを経由するため、速度は現在の数倍劣化します。

そこでこの欠点をどのように回避するか(もしくは見えなくするか)が重要な点とな

ります。

なるべく現在と同じ運用のままレンタルサーバを使おうと思う場合は、レンタルサ

ーバを「LAN接続」して使う方法があります。

レンタルサーバを社内サーバの延長と考えれば一番自然に思える方法で、通信速度を

気にしないのであれば使用するお客様にとっても、もっとも解りやすい接続方法です。

しかし実際に通信速度を気にしなくてよいというケースはごく稀で、業務ソフト側の

改造や運用方法に様々な工夫が必要になるケースが多いようです。

もうひとつの方法はレンタルサーバを「リモート接続」して使う方法です。

「リモート接続」は外出先から会社のパソコンにアクセスする方法として使うお客様

は大分増えてきたようです。同じ手法で、今度は会社のパソコンからデータセンター

へ「リモート接続」し、その画面の中で業務システムを動かすことが可能になります。

こちらはデータセンターの画面が主になりますので、自分のパソコン側にデータが残

らないなどセキュリティ向上には効果がありますが、反面Excelなどを利用した

データの2次加工は「もう一工夫」の操作は必要です。

今回はこちらの方法を選択しました。

他に事前の検討事項として、「通信手段の選択」以外にも、パソコンやサーバの入

れ替え時に発生するWindowsのバージョン変更に伴う影響や、社内に設置しているプ

リンタへの印刷方法などの検証作業も欠かせません。

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┃3┃業務用サーバに求められる条件

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現在使用しているサーバのオペレーティングシステムがWindowsの場合、レンタル

サーバにもWindowsのOSが必要となります。

またサーバに対するWindowsのアクセス権限も「管理者特権」が与えられていないと、

さまざまなチューニングが難しくなってしまいます。

その反面、管理者特権の与えられたサーバの管理責任は使用者側が負うことになり

ますので、ウィルス対策や不正侵入対策などは自己責任で行います。

このあたりがWEBサーバやグループウェアサーバとは異なる「常識」でした。

また業務用サーバでは2台以上を同時使用するケースも少なくなく、レンタルサー

バ間のLAN接続は必須条件になります。

サーバを選ぶ場合にその価格と性能面だけに目が行きがちですが、契約後の構成変更

のしやすさ、トラブルが発生した場合の対策、5年後のサポート継続なども重要な選

択項目になります。

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┃4┃メリット・デメリット

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基本的にはレンタルのため、サーバを購入した場合に比べ機器構成の増減が手軽に

おこなえます。性能が不足したと感じたら追加料金を払って増設が可能になります。

業者との契約によっては利用最低期間や事前申請期間がありますが、一般的には解約

も自由です。

24時間サポートでサービスマンが常勤しているため故障対策などは便利で、停電の

心配もなく、ここが一番のメリットと言えると思います。

反面、データセンターへは原則入室禁止で、直接サーバを見ることはできません。

USBメモリやCD、DVDなどの直接接続は行えませんので、ソフトウェアのイン

ストールはどのようにして行うのかなども、契約前に確認したほうがよいようです。

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┃5┃移行までの手順

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お客様のサーバからデータセンターに業務を移行する場合、事前に何度もテストを

行い、移行に要する時間を割り出す必要があります。

大量のデータのを扱っていた場合、業務終了時から業務開始時までに移行(データ転

送)が終わらないことは十分ありえます。

今回のケースも4連休を利用させていただき、2日間を予備日と考えスケジュールを

組みました。

検証は重ねて行うのですが、それでも心配なためお客様に了解を得て1ケ月のテスト

期間を頂きました。

そのかいもあって、なんとか目標の切替日にお客様の運用をレンタルサーバで行うこ

とが出来ています。

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┃6┃レンタルサーバ運用後の感想

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サービスマンが常勤しているレンタルサーバとはいえ、同じハードウェアです。

故障の際にデータが復元不可能な状態ということも無いとは言えません。やはりバッ

クアップが必須になります。

先の構成は2台借りているサーバ間で相互にバックアップを行い、さらに弊社とお客

様の会社へ夜間バックアップを行っています。

実際の移行作業はプロの業者にまかせなくてはなりませんが、データセンターはお

客様が直接契約することも可能です。

ただなかなか面倒くさい専門用語を並べた契約になるため、契約も弊社のような業者

を通してしまったほうが煩わしくないかもしれません。

今回もお客様直接契約ですが、弊社のほうで契約の代行を行いました。

いかがでしたか?おおまかにしか記載することができませんでしたが、業務用のレ

ンタルサーバについて多少なりともイメージすることができましたでしょうか?

初期コストを抑える手段として注目され始めたレンタルサーバではありますが、いま

では逆にトータルコストは若干高めでも運用の安全面などを考えたときに選択する

「安心の手段」として一度検討してみる必要があるかもしれません。

皆様も興味がありましたら業者選びや契約内容など、是非弊社担当までご相談下さ

い。